京都から大津へと抜ける峠道の途中に山中町はあります。ここの樹下神社では、毎年5月第二日曜の夜に「御膳持ち」が行われています。
この行事の特色は、見事な頭上運搬。"とんがり"と呼ばれる赤飯を円錐型に盛ったもの、かます、御神酒などが並べられた大きな御供台を、村の女性(未婚者)が頭に乗せて神社へと運びます。
提灯の灯りに照らされた山中の静謐な夜道を、慎重にバランスをとってゆっくりと進む頭上運搬の様子には、息をのむような緊張感がありました。
神社では、一同が座して神事が行われ、巫女の舞や"とんがり"を肴にしての直会などがあり、帰りの道中も再び、頭上運搬によって宮守宅まで御膳が下げられました。